封筒は捨てられるのかな

 入社して4年以上経ちます。
そんな私はやってしまいました。初の遅刻を。。。
 昨夜ココで何度も日記を書き直すハメになり、
「ヤバい、明日仕事やのに!!早く寝なきゃ」と
思うあまり、目覚ましをセットし忘れるという
痛恨のミスを。。。
 朝、母の
「(私の名前)!!あんた今日会社ちゃうの!!
もう7時半よ!!」という大声に、
西日本一美しい目覚めを披露した。
バサッと起き、走って洗面所へ向かった。
私は35分に出ないと遅刻だ。
5分しかない(←お前はもう死んでいる、状態)
しかし、本当に30分〜?と思ってテレビの時計を見ると
20分だった。よし!!15分ある!
顔を洗い、髪にムースをつけ、乱暴に化粧をした。
そして出たのはいつもより3分遅い38分。
いつもの電車に乗り遅れた。
しかし土曜日の朝の私はず太かった。
「もういっか〜」
 朝ゴハンも食べてこなかった私は会社のある駅について
急いで会社に行くでもなく、余裕しゃくしゃくで
ローソンに行き、牛乳1リットルとドトールコーヒー
買って正門から堂々と出社。すると2階の事務所から
ウチの会社の面々がずらずら降りてきた。
先頭は何と私の直属の上司である課長。
今まさに私服でご出社の私を見るなり、
「おいおいおいおい〜」とニヤけ顔で時計を見るそぶり。
他の面々も笑っていた。いつもは出社が早いイメージの
ある私(←何故か)なので許された模様。

 その中心にカレがいた。
カレは昨夜同期の家に泊めてもらい、
朝イチで彼に新大阪駅まで車で送ってもらうのだった。
それをみんなで最後のお見送り。
最後の最後に汚い髪の雑な化粧での見送り。
服装はなかなかオシャレにしていたのでよかった。
「それじゃ、みなさん本当にありがとうございました」と
笑顔で言った後、一人一人の顔を見てお礼をまた言っていた。
私は見ていたけれど、カレとは目が合わなかったように思う。
 言い終えてカレは車に乗り込んだ。
車が発車した。私は車が見えなくなってもしばらく
その方向をじっと見ていた。昨日の夜、ひそかに
今日旅立つ、と聞いていた。時間があれば写真を一緒に
撮りたい、最後の言葉をきちんと言いたい、と
思っていたのに。朝イチで去るし、私はこんなだし。

 出勤簿をつけているのは私。いつもなら転勤先の
担当者にあてて関係のある書類などを送る。
 しかしカレに限っては月曜日着でカレの名前で送った。
宛名は苗字だけでなくフルネームで書いた。書きたかった。
今日はカレは有給休暇を取っていたから月曜からが
本当の異動。会社の封筒なのであまり私的なことは
書くべきではない、とこれをそっちの支店の担当者に
渡してくれ、という旨と、でも少しだけ文章を添えた。
 
 「そちらの支店での毎日が本格的に始まるのも
今日からですね。新しい土地でいろいろと大変なことも
多いかと思いますが、持ち前の明るさで頑張ってください。
○○支店もまた良い支店となりますように。」

と綴った。最後に大阪支店 ○○ と自分の名前を
フルネームで書いた。当たり障りのない社会人の手紙だけど
ひっそりと濃く深く思い入れが詰まっている会社の封筒となった。