M元さん、また入院

 6月の半ばに会社で健康診断があった。
35歳未満、以上で検査内容が全然違う。未満は身体測定と希望者は
自腹で血液検査。以上はいわゆる人間ドッグ。おいしいおいしいバリウムを飲むのです(苦笑)
私は体重以外気にすることはなかろう、と思っていたら何と異常が!!
白血球の数が少ないって・・・ということは体内への侵入者を狙撃する力が低くなってるってこと?
でも日常生活に特に差し障りないってさ。とりあえずの安堵。

 ところが私の課の先輩のM元さん。結果が返って来ると落胆の色を隠せない。
注文書に6月20日と書くべきところに2月20日と書いたり。そんなミスが連発。
上の空。ボーーーっと一点集中ガン見。「どうしたんですか?」
「いや〜実はちょっとヤバいんだよーー」何と血糖値が正常値のの6倍。
20代の頃、同じような状況で再検査に行くとその日に即入院という事があったそうだ。
その頃、巨漢タレント顔負けの脂肪の溜め込み具合であったが(写真による)
一気に何10キロも痩せたとか。そして最近M元さんは10キロ以上急激に痩せた。
スーツのパンツもダボダボのボテボテ。直属の上司であるU薗さんにも
「ヤバいんちゃうん?」と言われていた。
「今日、会社終わったらすぐ病院いくわ」M元さんは自分の席でそういった。

  翌朝、M元さんの姿はそこになかった。
また過去と同じく即入院だったのだ。

 翌日、お見舞いにU薗さんH内さん、T中さんと行く。
『え?昭和何10年代に建てられたんですか?』
と問いたくなるほどにボロい病院。狭い暗い汚い暑い。病院なのに冷暖房が一切無い様。
入院部屋の3階に上がる。階段を上がったとたんに目に飛び込んできたのは
全身管だらけのおじいさん。見るも哀れで隠しておいてあげたかった。

 本人はいつも通りのビッグボイス全開で登場。自慢気に腕を捲り上げると
無数の注射針の跡が。ヤ○中の人ってこんなんかな・・・・(←パッと頭に浮かんだ事)
「昨日から二時間ごとに血糖値を測るために採血だよー。」


「別に注射跡がたくさんあるからって偉くないんですけど」


と言ってしまいそうなくらい誇らしげに自慢たらしく語る語る。


月曜には一旦帰れるらしいが自分でインシュリンを打つ事になるそうで。
自分の不摂生が原因とはいえ 中学2年生の時にお母さんが亡くなられたという
事情が大いに関係しているのだろうと思うと何だかかわいそうでならなかった。