卒業式

 今日、9歳離れた下の弟の中学校の卒業式に出た。有給を取って。思えばこの弟は年が離れていることもあって、いろいろな行事に参加した。大学生の頃は休み放題だから授業参観や文化発表会なんかにも行ったっけ。だから義務教育最後の姿を見ておきたかった。
 
 私は引越しのために弟とは通っていた中学校が違う。初めて聴いた校歌には何の思い入れもなかった。自分の学校と同じならもちろん校歌も一緒なので自分の頃のことを思い出したりしたかもしれない。
 
 それにしても9年も違うと勝手が違う。何て粋な卒業式なのだろうか。昔々の私の卒業式は舞台を先頭に卒業生、在校生、保護者と並んでいて舞台に上がり証書を受け取っていたものだった。保護者からは遠すぎて何が何だか。現在・・・舞台真中から縦に分断されている。表現が若干難しいんだけど、左側に保護者、2年生が陣取る。右側に卒業生で向かい合うような形で座る。その間には卒業証書を受け取る少しだけ高い台、少し進んで証書を収める台紙を受け取るところ、少し進んだところに各クラスの担任が卒業生一人一人の名前を呼んでいくマイクがある。真中には3ポイントがある。従来の式と違い保護者と同じ向きで校長が証書を渡すので卒業生の顔が保護者席からバッチリ見える。

 今は証書を収めるのは筒なんかではない。台紙。丈夫な布で折りたためるようになっている。しかし折り目はつかない仕様。近代性を感じる。

 母顔負けのカメラスタンバイをする私に回りのお母様方は若干ザワつく。2年生の在校生も一人浮いている私を見てボソボソ言っている。おかまいなしの私。それどころじゃないのよ、必死なの!!でも弟の出番が終わって我に返った瞬間は・・・

 弟は一組で最前列、しかも女の子と男の子完全に左右に分かれていたが、偶然男子側に座れた&二列目をゲットできたので写真はバッチリ☆式辞とかウンザリ。来賓とかの式辞なんて絶対心こもってないって。在校生、続いて卒業生の代表二名ずつで最後のお別れの挨拶を読む。悪いけど、ヒマ。弟がこれをやるなら話は別だけど。

 しかしこれだけは私の時代と一緒、というのが最後に卒業生がクラスごとに退場していく時に担任の先生が来て、手を広げ 上にパッとあげて「起立」を促す部分。自分の頃の事を一気に思い出したのか、涙がこぼれそうになるのをあわてて自然乾燥させる。そこは本当に感慨深いものがあった。

 最後、校門から卒業生がクラスごとに出て来る。最後のシャッターチャンス。しかしそれより私には気にかかる事が。そう、男子ならではのボタン。無くなってたら「どこの馬の骨が!?」と取り返しに行きたいし、全部ついていたら泣く。本当に複雑。一組男子が最初に出てきた。すでに花束を持っている。ムムム・・・ボタン見えない。弟が通過してしばらく過ぎて何かダンゴが出来てる。ふと見たらある男の子のボタン争奪戦が繰り広げられていた。最近のコって積極的ぃ・・・あ、あれって弟の友達だ。昨日あのこの家に泊まりに言ってた。ふむふむ、確かにもてるわ、カワイイ顔してるもん。サラサラヘアーやし・・その子のお母さんが側にいたけど、高らかに笑いながら誇らしげだった(笑)でも袖のボタン、カッターシャツのボタンまでむしりとられているのに、第二ボタンだけは残っていた。フ〜ン・・ニヤニヤ。しかし、「え?何で君のボタンが無くなっているの?」みたいなのもいた。摩訶不思議。「ええ〜っ!!君なんでボタン全部無くなってんの?自分で取ったんか?」とか。

 弟の彼女も見ました。ムカムカ(`_´♯)
結構カワイイじゃねえか。でもどうせ中学やし分かれるのも時間の問題、とか大人げなさすぎた。

 弟は全部ではないけど、かなりボタンなくなっていた。全部なくならなかった事に弟はショックを受けていた。「調子に乗るな、バカ」

 次は高校生か。一番いい時期かも。戻りたいなあ。
これから始まる新生活、中学三年間で学んだことを大切に楽しく思い出に残る時を過ごして欲しい、心からそう願っている。