お母さん、誕生日おめでとう!!

 今日、3月3日は母の51回目の誕生日。
一ヶ月前からお気に入りのケーキ店でお雛様のケーキを予約し、
百貨店でプレゼントの革のボストンバックを購入。
ごはんもしてあげたかったけど 仕事から帰ってだからそんな時間はなくって。

 会社からケーキ屋さんに直行。ところがそのケーキ屋さん、父によるとこんな話・・・

「会社の◎◎君から聞いたんやけど、○○(ケーキ店の名前)、
最近経営者が変わって経営方針も変わったらしいで。前は材料も最高のものを
使っていいものを、っていう方針やったけど新しい経営者は原価を出来るだけ抑えて
利益を出そうっていう考えらしくてトップのパティシエの人が辞めて△△っていう
ケーキ屋やってるらしいわ。常連の○○離れが進んでるんやって。」

・・・・この話にピーーーンと反応をしてしまった私と母。
実は私は幼稚園に上がる前から家族全員、誕生日や
クリスマス、時々買って来てもらうケーキ、全てにおいてお気に入りのケーキ店だった。
高校で隣駅に引っ越してしまい買う機会が減ってしまったが 先日私はその駅に用が
あったのでそのお店のシュークリームを購入したのだった。このシュークリームが
またどこにいっても食べれないような味。しかも安い。
 母も私も喜んで夕食後がっついた。
・・・ところが、味が全然違った。前のようなクリームの味じゃない。
味気なく深みもフレーバーも何も感じられない、それどころか薄ーーーーい味の
カスタードクリームだった。シュー皮の歯ごたえも全然違う。
「・・・あれ?何か全然おいしくなくない?」
「うん。。。そうやね。どうしてんやろう?」

 そういった出来事の後のこの父の話は私たちの疑問の答えだったのだ。

そしてその時に既に母の誕生日用ケーキの予約をしたのだった。
喜ばせてあげたかったのでムリして一番高いデコレーションケーキをチョイス。
イヤな予感がして予約を止めて他にしようかと何度も思ったけれど
家族の思い出のケーキ店なので結局キャンセルできなかった。

 今日、ケーキ店にひな祭りのケーキが種類も大きさも豊富に並んでいた。
ところが6号を頼んだのだが以前はそのケーキ店は大きくてボリュームのある、
そして見た目もかなりキレイで豪華なケーキばかりだったのに 今日
並んでいたケーキはどれもショボかった。大きさは大げさな話ではなく本当に
高さは半分になっていて幅も相当小さくなっていた。値段は変わらないのに。
 私はその時後悔した。やっぱりキャンセルして他の所にしておくべきだった・・・!!

 母にその「ショッボー!!」と思ったケーキ店での私の哀愁あふれる話をした。
母は「いいよ、いいよ。」と言っていたが箱を開けた時の表情は
私と同じ感想を持った事を語っていた。
 紅茶を煎れて食べた。マズくはないけれどスポンジのふわふわ感は消え失せ
一段目と二段目のスポンジの間に入っている生クリームと苺のボリューム感は消え去り
家族の思い出のケーキの濃厚な味はかけらも無かった。

 もうあの味は食べられないのかなあ・・・と思い何だかもの悲しい気分がした。

 プレゼントは茶色の皮ボストンバッグ。母は喜んでくれた。よかった。

お母さん、お誕生日おめでとー!!そんなの喜べる年じゃないよって言ってたけど。
でも今日は上機嫌だった。全て私のおかげなんだぜっ。来年、乞う期待!!